交通遺産をめぐる

隧道,橋梁,廃道などの交通に関する土木遺産を探索し,「いま」の姿をレポートしています.レポートマップはトップページにあります.

(旧) 庄垂川橋 (2022. 5. 6.)

滋賀県高島市今津町.琵琶湖に注ぐ庄垂川の最下流に架かる橋.

 

琵琶湖の北西,高島市を流れる庄垂川の最下流,琵琶湖の直前に架かる橋.滋賀県道54号 (主要地方道) 海津今津線の旧道にあたる.場所は [35.40423, 136.03852] (世界測地系).

ピンの右の大きな水色はもちろん琵琶湖である.

 

北詰近くの公園の駐車場に車を置かせてもらって訪ねた.

 

北詰から見る庄垂川橋.

 

親柱はシンプルながら御影石製の立派なもの.

 

流麗な筆致で文字を刻む.右 (北東) の親柱には「庄垂川橋」,左 (北西) は「昭和三十三年三月竣功」.

 

高欄はやや大きめのアーチ窓を連ねた軽快な意匠.

 

渡って南詰から.

 

南側の親柱には「庄垂川」「しょうたれかわはし」.

 

上流側から.構造は単径間のRC桁橋で,大きな補修・改築の形跡は見当たらない.桁の一部が赤茶色に変色しているのは融雪剤の影響だろうか.

 

下流側.配管が若干目障りだが,こちらもよく原型を留めている.

 

上の写真を撮ったところで,桁の側面 (北東側) に銘板があることに気が付いた.

1 9 5 8 年    3 月
滋  賀  県  建  造 
建示 (1955)  一等𣘺 20t
Kt   9.5     5.5
設計者 技師 藤田平一郎
監督者 技師  小 林 清 秀
製作, 架設      
施    工 杉橋伊四郎
この時代のRC橋としては多くの情報を知ることができる.嬉しい発見だった.
 
県道54号現道の (新) 庄垂川橋は昭和58年 (1983) 5月竣工 (親柱より).旧橋は30年足らずで一線を退いたことになるが,それ以降も沿道集落に不可欠な生活道路として活躍している.